所有者の住所や氏名が変わった時は、登記上の住所や氏名も変更することができます。
原則、住所が変わったり氏名が変わったからといって、登記記録も自動的に変わるわけではありません。
新住所に住所変更登記をしていなかったり、新氏名に氏名変更登記をしておらず、不動産を売却したり、金融機関から融資を受け抵当権を所有不動産に設定する場合、そのままでは原則、所有権移転登記や抵当権設定登記はすることができません。そのため、前提として所有権登記名義人の住所変更もしくは氏名変更登記をする必要があります。
1.住所変更登記
住所が変わる原因としては、以下のようなものがあります。
(1)引越し
所有者が引越しをし、住民票を移動した場合です。ここで、住民票を移していなければ、住所変更登記はできません。なぜなら、住所変更登記の申請には新住所の住民票の写しを添付しなければならないためです。
(2)行政区画の変更
市町村合併などによって、「町」から「市」など行政区画の単位が変わった場合です。市区町村役場が発行した変更証明書などを添付しなければなりません。
(3)住居表示の実施
行政の施策などによって、住所の町名などに変更はないものの番地などが変わった場合です。市区町村役場が発行した変更証明書などを添付しなければなりません。
2.氏名変更登記
氏名が変わる原因としては、以下のようなものがあります。
(1)結婚・離婚
結婚や離婚により名字が変わった場合です。
(2)養子縁組・離縁
養子縁組や縁組の解消(離縁)により名字が変わった場合です。
(3)家庭裁判所の審判による氏の変更・改名
両親の離婚により両親がそれぞれの氏(旧姓)を名乗るようになった後、子が家庭裁判所の審判により氏を変更する場合や、自身の名について家庭裁判所の審判によって改名が認められた場合です。