こんにちは、尼崎市の司法書士の村田です。

寒波襲来で、近畿地方の平野部でも雪がちらついていますね。
寒すぎて、布団を二重にして丸まって出たくない今日この頃です。

さて今回は、年末に行った会社設立のお話です。
会社設立の話ではありますが、よくある株式会社の設立登記ではなく、最近増えつつある合同会社の設立登記です。

まず、合同会社とは、平成18年施行の会社法において新たに規定された会社形態で、株式会社同様、営利を目的とする会社です。
株式会社との大きな違いは、所有と経営が分離しているところです。
どういうことかといいますと、株式会社の所有者は出資をしている株主であり、実際に経営を行っていくのは取締役等の役員です。そして、取締役等の役員は、株主で構成された株主総会の決議で選任され、株主以外でも構いませんので、株主でなくとも経営能力に長けた人材を取締役等役員に据えることができます。これに対し、合同会社は、所有と経営が分離されていませんので、出資した人(=「社員」と言います。)が経営を行っていきます。
その他に営利を目的にしない団体構成では、社団法人や特定非営利活動法人などがあり、営利を目的とするが所有と経営が分離していない会社では合名会社・合資会社がありますが、ここでは割愛します。

その他に、株式会社との主な違いは、下記のようなものになります。
・株式会社は、設立時において、定款に公証人の認証を受けなければならないが、合同会社では公証人の認証は不要である。
・株式会社を設立する際かかる登録免許税は最低15万円であるが、合同会社は最低6万円である。
・株式会社では会社法上、株主総会が常設機関とされているが、合同会社では社員総会の設置は強制されていない。
・株式会社では業務を執行する取締役の任期は原則2年ですが、合同会社において業務を執行する社員に任期はない。
・株式会社における株主総会の議決権は、原則1株1議決権であるが、合同会社における社員総会の議決権は、1人1個である。
→社員が2人以上ある場合は、合同会社の業務は定款に別段の定めがない限り、社員の過半数をもって決定する。
→業務の執行は、社員全員が行いますが、業務執行社員を定款で定めた場合は、業務執行社員が業務を執行します。業務執行社員はちょうど、株式会社の取締役と同じような感じです。そして、業務執行社員は、合同会社を代表します。業務執行社員が2名以上いる場合は、各自が合同会社を代表しますが、業務は、定款に別段の定めがなければ、業務執行社員の過半数の同意をもって決定します。
・株式会社では、定款の変更は株主総会の特別決議(原則、議決権の過半数が出席し、出席議決権の3分の2以上の賛成)で行われるのに対し、合同会社は、社員全員の同意が必要である。

などなど・・・

合同会社に向いているのは、大きな資本を必要としない専門的なサービス業で、物的な資産よりも人的な資産が中心の業種です。また、1人だが、個人事業主でなく法人にしたいというケースも合同会社が向いているといえます。
合同会社自体がまだまだ聞きなれない会社形態で、違和感のあるという人もいると思いますので、会社名よりも屋号が前面に出る業種なんかも合同会社向きかもしれません。
例えば、飲食店、小売店、美容院、介護事業、経営コンサルティング、デザイン事務所など。

合同会社の設立の流れとしては、

①出資者(社員)を決める=会社の経営者を決める

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②会社の基本事項を決める
・商号(社名)
・本店所在地
・会社の目的
・資本金額
・事業年度  など

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③必要なものを手配する
・会社の実印・ゴム印などの印鑑関係
・代表社員の実印・印鑑証明書
・代表社員以外の社員の印鑑(認印でも可)
・出資口座を決める(代表社員の個人口座で、新規開設しなくてもよい。既存口座でもOK)
・出資金を用意する。

↓ ↓ ↓

④必要書類を作成し、出資を行う。
・定款(公証人の認証は不要)
・代表社員、本店所在地、資本金決定書
・代表社員の就任承諾書
・印鑑届書
・印鑑カード交付申請書
・出資金の払込証明書(払込んだ口座の通帳のコピー→表紙・見開き・資本金の額の記帳部分が必要)
・司法書士への委任状

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⑤申請・登記完了
・申請後、1週間ほどで登記完了し、印鑑カードが交付される。

この中で、注意が必要なのは、出資金の払込です。
出資金の払込に関して、払込む口座は出資者(社員)の中の代表者の個人口座ですが、これは、すでにお持ちの既存口座でも新たに開設した新規口座でも構いません。
出資金の払込方法についても預入でも振込でもどちら構いませんが、必ず出資金ということがわかるようにしなければなりません。つまり、新規口座の場合ではあまり問題になりませんが、既存口座の場合、例えば出資金を100万円とする場合に、すでに口座の残高が300万円あって、そのうち100万円を出資金とするつもりでも、その旨が通帳を見ただけではわかりませんので、100万円という数字を残す必要があります。この場合、面倒くさいですが、いったん100万円を引き出して、すぐに100万円の預入れをするといった方法をとれば、100万円が入金されたことがわかるのでOKです。
これは、株式会社の設立時にも言えることです。

もう一つは、印鑑カードの交付申請書を設立登記の申請書と提出しなければ、印鑑カードが交付されませんので、注意が必要です。
印鑑カードは特に発行しなければならないというものではありませんが、印鑑カードがあれば、第三者で委任状がなくても会社の印鑑証明書を発行することができますので便利です。

株式会社と合同会社の違いは、上述しましたが、設立時においては合同会社は特にメリットがあります。
それは、株式会社は設立時の定款に必ず公証人の認証が必要です。認証手数料は5万円に定款を紙面で認証受ける場合は印紙代で4万円の計9万円かかりますし、紙面での認証ではなく、電子認証の場合は、印紙代の4万円はかかりませんが、5万円かかります。合同会社は公証人の認証が不要なので、この公証人の認証手数料や印紙代が不要です。
また、株式会社の設立時に係る登録免許税は、資本金×1000分の7(15万円に満たない場合は15万円)かかりますが、合同会社の設立時における登録免許税も資本金×1000分の7ですが、6万円に満たない場合は6万円です。仮に資本金100万円とすると株式会社の場合は15万円、合同会社の場合は6万円と半分以下で済みます。

このように、あまり聞きなれない会社形態かもしれませんが、合同会社は小規模で少数での経営に比較的向いている
会社形態といえますので、ご興味の方は、村田事務所までご相談くださいませ。