こんにちは、尼崎市の司法書士の村田です。

今回は、表題のとおり買戻特約の抹消登記についてのお話です。

まず、買戻特約とは、不動産の売却にあたりそれと同時に買主が支払った売買代金及び契約費用を返還して売主が後日売買契約を解除することができる旨の特約のことで民法(579条ほか)に定められています。

買戻特約の対象となるのは、不動産の売買に限られ、買戻しの期間は10年を超えることができず、特に期間を定めなければ買戻期間は5年となります(580条)。

売買契約と同時に買戻特約をしなければならず、その登記についても所有権移転登記と同時にしなければなりません。登記は、所有権の登記に付記されますので、登記簿上は所有権登記のすぐ下に記録されます。

この買戻特約は、昭和時代に区分建物(マンション)を各都道府県や市町村の住宅供給公社が売却をした際付けていることが多いです。
理由としては、居住用に買った建物をすぐに転売することによって儲けることを防止するためです。

この買戻特約は、買戻期間が経過したからといって、自動的に抹消されるものではなく、当事者からの申請により抹消しなければなりません。
また、区分建物の敷地部分登記上敷地権化される前に買戻特約が設定されており、その後敷地権化の登記がされている場合ですが、抵当権等の担保物件などは敷地権化される際に登記官の職権で抹消され、建物の抵当権の効力が敷地権にも及ぶものとされていますが、買戻特約については、そのような規定がないため敷地権化後も土地の登記上残り続けます。
つまり、抹消するには申請によってわざわざ抹消しなければなりません。

抹消登記の当事者は、現在の所有者と買戻権者である住宅供給公社になり、申請は共同申請により抹消されます。

今回の依頼では、上記の敷地権化される前に買戻特約が設定されており、その後相続が発生しているが、買戻特約の登記は抹消されていないといった案件でした。
相続発生時には敷地権化されているので、建物のみの相続登記をすれば、敷地権にもその効力は当然に及ぶので特に問題はありません。敷地権については、敷地権化後については原則登記がされることはありません。

では、先ほども述べましたが、買戻特約の登記を抹消するには、現在の所有者と買戻権者が共同申請で行います。ここで、建物については、相続登記により現在の相続人に所有権の名義が変わっていますが、敷地権については相続発生前にすでに敷地権化されているため、登記上は前の所有者である被相続人の名義のままです。
実体的には、敷地権にも建物の所有権登記は及んでいるため同一所有者ということが言えますが、登記上はかたや相続人名義、かたや被相続人名義と所有権の名義が異なります。

登記上の名義は異なりますが、買戻特約の抹消登記は同一の申請でいけるでしょうか?

行けると思いましたが、考えるほどに自信がなくなってきましたので、法務局に照会をかけました。
結果は、

別に問題ないです。考えすぎですよと・・・

ですよね~ハハ、と言いながらも念のため確認しといてよかったと思いました。

やはり確証のないことは、確認は必須です。
むしろ我々の仕事は考えすぎるくらいでちょうどいいと思ってます。

何にせよ1つ勉強になりました。