こんにちは、尼崎市の司法書士の村田です。

今回は、土地の売買についてのお話です。

私が任意の財産管理人になっているお年寄りの方からの相談です。
40年以上前に昔の分譲宅地50坪ほどを1区画購入したが、特に住宅を建築することもなく、ずっと更地で所有していました。10年以上前から売却したいと考え、地元の不動産屋を通じて売りに出していましたが、一向に買い手も見つからず、困っておいでで、どうにか処分できないか?とのご相談を受けました。

土地の場所は、県外の市街化調整区域内の利便性の悪い土地で、調べてみると固定資産税の評価額も100万円未満とあまり高くない土地でした。
ご本人さんとしては、ほしい人にタダであげてもいいとのことでした。

まずは、無料査定を行っている地元の不動産会社何社かに連絡して簡易査定でも出してもらおうと考え、数社に電話しましたが、どこの不動産会社も電話口で「あ~、あの区画ね。売れないよ。」との回答ばかりでした。それでも相場はいくらくらいなのかと伺いを立てると、他の同じ分譲現場で売りに出ている土地は売買価格100万円前後で出ているところが多いが、もう何年も売れずに残っている土地ばかりとのこと。実際の価値としては数万円程度ではないかとのこと。
これは、中々難しいのかと思いつつ、数万円で売却するくらいならとご本人と相談して、自治体へ寄付できるか問い合わせをしたところ、不動産の寄付は原則受け付けていないとのこと。

私の尼崎市の知り合いの不動産会社に声をかけても、遠方の土地に加え、売買予定価格も低く、仲介しても赤字になる、という理由でいい返事をもらえませんでした。
当然のことながらこれは仕方ありません。

そんな折、事業系の不動産仲介会社に勤めている大学の後輩にこの件を話したら、ちょっと心当たりがあるかもとのことでした。
数日後、後輩が買付証明が取れたとのことで、金額を見てみると数万円・・・

事前に相場を確認していたとはいえ、やはり現実は厳しすぎます。

それでもご本人さんにその旨を伝えてみると、売りますと即決でした。
本当にいいんですか?もう少し値段の交渉できるかもしれませんよと伝えるも、先方の気が変わらないうちに売りますとのことでした。

ということで、先日、私の事務所でその土地の売買契約と取引決済がおこなわれました。

非常に低廉な価格にも関わらず、ご本人さんはとても晴れやかな表情で、これでスッキリしました。悩みが一つ解決しましたと。

常々、自分が死ぬ前に処分したいとご本人さんは仰っており、今回の件をとても喜んでくれましたが、私自身としては少し複雑な気分でした。

司法書士としては、不動産の売買についてはもちろんアドバイスはしますが、不動産業者ではないので売買の内容については、あまりあれこれ口を出すことはできないのが歯がゆいところでした。

ご本人さんが望んでいたのが何よりも早急な処分でしたので、何はともあれご本人さんの意向には沿えたことは良かったのかなと思います。