こんにちは、尼崎の司法書士の村田です。

9月に入り、朝晩は涼しい日も多くなってきましたね。
季節の変わり目、体調には気を付けないといけない時期です。

今日は、抵当権の債務者を変更する場合についてのお話です。
これについては、2015年6月16日付「相続による抵当権の債務者変更」でもお話しましたが、債務については、原則遺産分割の対象ではないが、例外的に債務についても相続人間で話し合い、遺産分割の対象とし、債権者がその遺産分割で定めた債務の承継方法(誰が承継するのかなど)につき、承諾をすることによって、債務の承継を認めるといった方法についてでした。

前回と異なるのは、いったん、相続人全員で債務を承継することにより、抵当権の登記における債務者を相続人全員に変更し、一部の相続人が他の相続人の債務を承継するという免責的債務引受契約を相続人間と債権者である金融機関との間で締結し、債務を承継した相続人間でお互いの債務を重畳的に引き受けることによりお互いを連帯債務者とする旨の登記をする、といったものです。

正直なんのこっちゃよくわからないと思います。私も初見では一瞬混乱しました。
わかりやすく言うと、お父さんが銀行からお金を借りていましたが、お亡くなりになり、本来であればその子供ABCが法律上の相続分の割合で借金の返済義務も相続しますが、それを変更してAとBでお父さんの借金を相続して一緒に連帯責任を負いましょう。そして銀行を交えてそういう契約をしましょう。ということです。

これを、法律用語でいうと、相続→免責的債務引受→重畳的債務引受といった流れになります。
登記も同じ流れになります。
まずは、①「年月日相続」を原因として、債務者を相続人全員(ABC)とする抵当権の変更登記をします。
次に、②債務を引受ける相続人(AB)・債務を引き受けてもらう相続人(C)・債権者の3者間で免責的債務引受契約をし、「年月日Cの債務引受」を原因として抵当権の変更登記をします。変更後の事項は「債務者 A B」です。
最後に、③債務を引受けたAB間でお互い連帯債務者として債権者に弁済していく旨の重畳的債務引受契約を債務を引受けた相続人(AB)・債権者の3者間行い、「年月日AはBのBはAの重畳的債務引受」を原因として抵当権変更登記をします。変更後の事項は「連帯債務者 A B」なので注意です。

ちなみに①・②・③の登記のいずれも添付書面として、通常の登記原因証明情報を作成すればよく、戸籍関係や遺産分割協議書などは不要です。
また、抵当権設定者(物件所有者)が登記義務者になりますが、義務者の印鑑証明書は不要です。

なぜこのような複雑な、というか回りくどい方法を採らなければならないのかといいますと・・・
いや、説明しようと思うとものすごく長くなります。やめときます。

とりあえず若干複雑な登記でしたが、特に滞りなく完了しました。

今回のケースでは、相続人が多くありませんでしたが、数次相続や代襲相続などにより相続人が多数いる場合は、合意を取り付けるのも大変です。

相続が発生したら、お早目に手続きをすることをお勧めします。

ぜひ、村田事務所までご相談ください!