こんにちは、尼崎の司法書士の村田です。

暑い日が続いていますね。
冷たいものがおいしい季節ですが、私は最近冷たいものを食べすぎてお腹を壊してしまいました・・・
体調の管理ができていませんね。
いい年して子供みたいで恥ずかしいですが、みなさんも気を付けてくださいね。

今回は、体調ではなく財産管理のお話です。
その中でも亡くなられた方(被相続人)が財産を有しているが、相続人に行方不明者がいた場合にどのような手続きをすればいいのかという点につき主眼をおいてお話します。

まず、これは相続が発生した場合には限られないですが、行方不明者を民法上は不在者といいます。そして、不在者に財産がある場合、未成年者であれば、親権者である親などが財産管理を行いますし、法定代理人なので法的な権限もありますが、成人している方の場合の財産管理は、原則他人がするものではなく、成年者自身がするものです。
しかし、成年者でも何かしらの事情で、自身で財産管理を行えない場合があり、その場合には、財産を管理する法的権限を持った人が必要です。
その財産管理を行えない事情によって、選ぶ財産管理者も異なります。

成年後見人、任意後見人、未成年後見人、相続財産管理人、不在者財産管理人、任意の財産管理人などなど・・・

このうち、不在者の財産を管理するのが、その名の通り不在者財産管理人です。
不在者財産管理人は、家庭裁判所に選任の申立てを行い、家庭裁判所が選任します。選任の申立ての際に不在者財産管理人の候補者を立てることはできますが、家裁は、当該候補者に関係なく選任します。候補者以外であれば、ほぼ弁護士が選任されます。
また、不在者財産管理人の申立てには、不在者に管理の必要な財産があることが必要ですが、ケースとして多いのは、やはり、遺産分割協議を行うためでしょうか。
遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があるため、相続人が一人でも欠けた遺産分割協議は原則無効です(遺残分割協議後に認知された非嫡出子がいる場合などの例外はあります。)。そのため、行方不明の不在者がいると遺産分割協議ができません。
そのため、不在者の代わりに遺産分割協議をする人が必要になり、それが、不在者財産管理人です。

不在者財産管理人は、不在者の法定代理人であり、不在者に不利益な法律行為・財産処分等はできません。そのため、遺産分割協議をするにあたっても、不在者の本来有している法定相続分を下回るような遺産分割協議は原則できません。
もちろん一定の事情があれば、法定相続分を下回る遺産分割協議をすることができるとする下級審判例や文献もありますが、実務上は、ほとんど認めらていないようです。
ただ、あくまで法定相続分割合を下回らなければいいので、遺産分割による承継財産の選択については、ある程度認められています。例えば、相続財産中に不動産が存在する場合に、後々売却したいが、不在者と共有にするのは、手続的に面倒になるため、不動産は、ある相続人が単独所有で承継し、その代わりに現預金を不在者が承継するものとするような遺産分割は可能です。

遺産分割を目的として、不在者財産管理人の選任の申立てを行う場合、裁判所によっては遺産分割の案の提出を予め求められることもあります。

そして、不在者財産管理人とその他の相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。
不動産につき、遺産分割による相続を原因とする所有権移転登記(相続登記)を申請する場合は、ほとんど通常の相続登記と違いはありません。
異なる点としては、遺産分割協議書には、「相続人全員の実印の捺印+印鑑証明書」が必要であることに加え、不在者財産管理人については、不在者財産管理人が選任の際に「家裁に届け出た印鑑+家裁が発行した印鑑証明書」が必要である点です。
これ以外は通常の相続登記に必要なものと同様の添付書類になります。

このように不在者財産管理人の選任申立と、選任後の家裁の調査・不在者財産管理人の調査、遺産分割協議は結構大変だと思いますが、いざ遺産分割が終わったとの相続登記については、そこまでややこしくはありません。

このように司法書士は、裁判所に提出する書類を作成する資格がありますので、不在者財産管理人の選任の申立書類を作成することもできますし、また、財産管理業務も法的に認められています。

一般的な不動産・商業登記関係や債務整理、成年後見業務など以外も業務範囲は広がっています。
最近では、特に相続手続きや遺言執行に関係する業務の依頼も増えています。

当事務所も、幅広く業務対応していますので、お困りごとはお気軽にお電話くださいませ。