こんにちは、司法書士の村田です。

新年度を迎え、早3週間が経過しました。
駅では定期売場で行列ができ、リクルートスーツの初々しい若者たちをよく見かけます。

この時期になるといつも気になることがあります。
それは、登録免許税の軽減措置の行方です。
登録免許税とは、登記をするにあたり、必ずかかる税金のことです。
これは、不動産登記でも商業登記でもかかります。
登録免許税については、租税特別措置法という法律に定められています。

そして、この登録免許税は、景気回復や不動産流通の促進などの観点から原則の税率より低い税率が適用されることが多々あります(登録免許税の軽減措置)。
しかし、この登録免許税の軽減措置は、租税特別措置法自体に定められているわけではなく、期限を定めた「所得税法等の一部を改正する法律」といった形でその都度、時限立法で定められています。
この時限立法は、有効期限が定められれているため、有効期間の経過とともに失効します。
ただし、失効するまでに延長されることも多々あります。

この登録免許税の軽減措置が延長されるのかどうかで、ケースごとに登録免許税の税率が大幅に変わってくるため、かなりの影響力があります。

主に不動産登記で定められている軽減措置としては、土地売買の際の土地の所有権移転登記の登録免許税の軽減(原則;固定資産税評価額×20/1000、軽減後:固定資産税評価額×15/1000)、居住用建物の所有権移転登記(原則:固定資産税評価額×20/1000、軽減後:固定資産税評価額×3/1000)・居住用新築建物の所有権保存登記(原則:認定価格×4/1000、軽減後:認定価格×1.5/1000)などがあります。

かなりの違いがあることがわかります。
例えば、土地の固定資産税評価額が3000万円とすると、その土地の売買を原因とする所有権移転登記の場合、原則の税率であれば、登録免許税は3000万円×20/1000=60万円となりますが、軽減後税率であれば、3000万円×15/1000=45万円となり、15万円もの差が出てくることになります。

このように、登録免許税の軽減措置の延長の有無は、毎年非常に気になる部分です。
また、ここ何年かは延長されていますが、毎年決まって、ギリギリ3月いっぱいまで延長の法案が通っていません。
そのため、この時期はいつも登録免許税の計算は特に気を遣います。
登記の当事者の諸費用の予算配分がそれによって変わってくるからです。

土地の軽減措置については、所有権移転の原因が売買であれば、宅地や雑種地など登記上の地目は特に問われません。ただ、売買以外の原因(贈与や代物弁済など)であれば、原則通り固定資産税評価額×20/1000かかります。

居住用の建物の軽減措置(所有権移転登記・所有権保存登記)の要件としては、下記になります。
下記の①~⑤のすべてを満たすことが必要です。

①次のいずれかの建物であること
(ア)新築 or 未使用建物 もしくは 鉄骨や鉄筋コンクリート造などの耐火建物で築25年以内か木造などの非耐火建物は築20年以内の既存住宅である
(イ)一定の「耐震基準適合証明書」 or 「住宅性能評価書の写し」 or 「取得日前2年以内に既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書面」により証明された既存住宅であること
②自己の1戸建て建物で居住部分の床面積(登記面積)が50㎡以上であること
③マンション等の区分所有建物については、自己の居住部分の床面積が50㎡以上であること
④新築 or 取得後1年以内に登記をすること
⑤市町村長の「住宅用家屋証明書」があること

この中で私が特に注意して確認することは、築年数の部分で、築年数が基準を超えている場合(築20年 or 築25年以上経っている)は耐震基準の適合証明書の発行をしてもらうのか否かと居住用か否かです。
大体この2つの基準を超えていれば、⑤の住宅用家屋証明書が発行される基準は超えるのですが・・・

たまに上述の2つの基準を超えていても床面積が50㎡未満の建物が対象になっていることがあります。
その場合は当然のことながら、住宅用家屋証明書の発行はされませんので、登録免許税の軽減措置を受けることもできません。
この点、言い方を換えると築20年~25年くらいの居住用を対象とした建物であれば、床面積が50㎡を超えている建物がかなり多いということです。
しかし、多いとはいえどそうでないものもありますし、司法書士になって少し慣れたくらいの時期の頃は、ついつい見落として軽減措置を受けられると判断してしまいそうになったこともありヒヤリとしました。
そんなこともあり、より細心の注意を払っていますので、今は見落とすこともありませんが、慢心してはいけないと自分に言い聞かせ常に心がけています。

まさに「初心忘るべからず」!

ちなみに私の座右の銘です。

この精神はいつまでも忘れてはいけないですね。

 

**贈与税や不動産取得税・譲渡所得税なんかも居住用と絡めて税金の軽減措置はありますので、それらについては、また別の機会にお話させていただきます。