こんにちは、司法書士の村田です。

先日、有限会社(特例有限会社)の解散登記の依頼を受けました。
元々ご主人が経営されていた会社で、去年そのご主人がお亡くなりになられたということで、奥様から会社も閉鎖したいとのことでした。
人にも生死があるように、会社にも生死があります。
会社は、設立登記によって法人格を取得(誕生)し、清算結了登記により法人格が消滅(死亡)します。
このように会社の生死は、登記に始まり登記で終わるのです。
つまり、司法書士は会社の誕生と死亡に関与するのです。

解散登記は、清算結了登記の前段階の登記なります。
例えるなら、不謹慎かもしれませんが、入院中といったところでしょうか。
解散登記(入院)をしただけでは、会社の法人格は消滅(死亡)しません。法人格は消滅しませんが、営業に関する行為(日常生活)はできず、清算業務(治療)のみしかできなくなります。そのため清算人(介護人)を選任する必要があります。また、解散登記をしても、その後に会社の継続登記をすれば、通常の会社に戻ります。
継続登記とは、いわば退院みたいなものです。

ちなみに会社の解散について、株式会社にはみなし解散という制度がありますが、有限会社にはみなし解散の制度はありません。
みなし解散とは、最後の登記をしてから12年間、登記に動きがない場合に、休眠会社に対して「登記所に事業を廃止していない旨の届け出をすべき」との公告をしたにもかかわらず、休眠会社が2ヶ月以内に必要な届け出も登記もしなかった場合、その会社は解散したものとみなす、という制度です。
そしてつい最近、昨年の11月に休眠会社に対して「法務局に事業を廃止していない旨の届け出をすべき」との公告が行われました。公告の期間満了日は平成27年1月19日までだったため、それまでに法務局に事業を廃止していない旨の届出か何かしらの登記をしなかった会社は、職権でみなし解散の登記が入っていることになります。
みなし解散の登記がされてから3年以内であれば、株主総会の特別決議によって会社の継続を決め、継続の登記をすれば、会社継続をすることができます。ちなみに継続をするにも登記が必要です。

人の死が悲しいのは当たり前ですが、会社についても、会社を築き上げた社長はじめ、長年勤めていた従業員の方や、長年取引をしていた取引先の方々にとっても、会社が亡くなるということは、寂しかったり、切なかったりするものです。
また、中小零細企業の場合は、人の死と会社の死が連動していることも多々あります。社長と身内のみの同族会社で、特に承継する人もおらず、社長がお亡くなりになられたのを機に会社をたたむといったケースです。

実は、私の父も地元の愛知県名古屋市で小さな不動産屋を経営しています。
会社形態も有限会社で、特に事業を承継する人もいません。
なにせ、長男である私は遠く尼崎市で独立し司法書士をやっているのですから、、、
そんな父もそろそろ引退するような年齢になってきましたし、ここ数年で大病を患い入院・手術をしたこともありました。
実際、私も父に対しそろそろ引退して会社をたたんだらどうか?と勧めたこともあります。
それに対し、父はもう少しやりたいと。
理由はいくつかありましたが、そのうちの一つは、宅建業の免許番号でした。父の会社の宅建業の免許番号は9です。これは、会社を作ってから少なくとも9回は免許の更新が行われていることを示します。現在は5年に1回更新が必要な免許です。
父としては、キリよく免許番号10までやりたいとのことでした。

それを聞いて、私は笑ってしまいました。
あぁ、この人は不動産業が好きなんだなと。

父は、私に会社を継いでくれと言ったことは一度もありません。いつもお前の好きにやったらいいと言う父です。
正直、私なりに尼崎で司法書士をしていくと決めてから、父の会社を継げなくなってしまったことは、親不孝かもしれないと思うこともありました。
それでも時々、謄本や公図を取ってくれとか、ちょっと調べてくれとか父から連絡がきます。
司法書士という仕事柄、またインターネットの発達で離れていても少しは不動産屋の父の仕事をサポートすることもできます。

これも親孝行の一つかなと思います。
そして、いつか父の会社の解散・清算結了の登記も私がするのだと思うと切ない気持ちもありますが、実は一番の親孝行かもしれないと思ったりもします。

とあくまで勝手に思ったりもしますが、、、

父を見ていると、どうやらそれが一番の親孝行ではないみたいです。

何といっても父は年甲斐もなくデレデレして嬉しそうです。

 

 

 

 

そう・・・孫の笑顔・・・

プライスレス!!!