こんにちは、司法書士の村田です。

先日、こんなご相談を頂きました。

遠い親戚から急に「そろそろお墓を継いで管理をきちんとしてほしい。」と連絡があったとのこと。
相談者は70代の奈良県在住の方で、聞けば、元々尼崎出身で、結婚を機に奈良県に移り住んでおり、確かにお墓も尼崎市内にあるとのこと。記憶は定かではないが、お墓がある土地の周辺に相談者の曽祖父が色々土地などの不動産を所有していたと昔聞いたことがあるとのこと。もしかしたら、墓地含め、祖父名義の不動産が名義変更されずにあるかもしれないと。

フムフム・・・確かにいまだに祖父や曽祖父の代の登記名義のままになっている不動産(主に土地)は相続登記の調査中に明らかになることは多々あります。

そこで、相談者に尼崎市から固定資産税の納税通知は毎年来ているか確認するも来ていないとのこと。兄弟も自分以外は早くに亡くなっており、両親や祖父母の代の親戚関係もあやふやとのこと。
通常、不動産所有者の方が亡くなり、登記の名義を相続人や遺言で承継した者(受遺者)に変更していなくても、固定資産税や都市計画税の納税通知(請求)は、不動産所在地の各地方自治体から毎年欠かさず送られてきます。この場合、不動産の承継者が不明確なため、相続人代表者の方(配偶者など)宛てに送られてきます。
その納税通知が尼崎市から送られてきていないということになると、少なくとも相談者の両親の名義のままもしくは相談者の名義の不動産が尼崎市内にある可能性は非常に低いことになります。
また、墓地については、国・自治体や宗教法人などが所有していることが多く、お墓については、あくまでそこにお墓を建てる権利を得ているだけ、いわば借地のようなものなので、個人が墓地の土地自体の所有権を所有していることはほとんどありません。
しかし、まったく課税されていない不動産については、そもそも納税通知は来ませんし、墓地以外で祖父母・曽祖父母の名義のまま登記が変更されていない不動産が存在する可能性は捨てきれません。
結局のところ戸籍と不動産の調査をしなければわかりません。

しかし、相談者の方は、腰を悪くされており、尼崎市まで来ることは体調的に難しいことと、今回のケースでは一般の方が郵送請求をするにはハードルが高いこともあり、ご自身で調査するには厳しいとのことでした。そんなこんなで何とか調べてほしいとのこと。

やりましょう!できる限り!
やはり何かしら結果がないとモヤモヤしますもんね。

委任状を頂き、すぐに戸籍関係や不動産の財産調査をしました。
結果・・・やはり両親・祖父母・曽祖父母の名義での不動産は現在は存在しないという結論に達しました。もちろん相談者自身の名義の不動産もです。
理由としては、①曽祖父→祖母→父→相談者とすべて旧民法の家督相続により相続が発生しており、それぞれ全財産を承継している(家督相続は旧民法の規定であり、現行民法と異なり、家督相続した方が全財産を承継します。)にも関わらず、②それぞれの代での名寄帳を尼崎市に請求するも何も出てこなかった、主にこの2点です。
また、お墓については、大体の場所を聞いて、地図やグーグルアースや公図を駆使して地番を調べましたが、、、尼崎市の所有でした。
その旨を相談者の方に伝えると、「残念だったけど、スッキリしたわ。体しんどくて最近全然行ってなかったけど、また墓参り行かなアカンね。」と。

結果、相談者の方が承継するような不動産は尼崎市内には存在しませんでした。しかし、今回の調査がきっかけとなって、相談者の方もご先祖様のお墓について改めて考えるきっかけになったみたいで、自宅からも通いやすい所へ改葬することも考え始めたみたいです。

日頃の忙しさにかまけてついつい忘れがちですが、今の自分があるのはご先祖様、近くは祖父母・両親のおかげですね。
いつか私もご先祖様になっていくのでしょう。そして、忘れられて・・・

いや、せめて孫の代くらいまでにはたまには思い出してほしいものです。

孫てお前いくつやねん!と遠くからツッコミが聞こえてきそうです。 笑